サラリーマンがいざ起業するとなると、これまで勤めていた「会社の仕組みのありがたさ」を感じることがあるでしょう。
そのように感じた場合、「退職するギリギリまで会社の仕組みを活用する」という視点に切り替えることをお勧めします。
福利厚生プログラムや教育プログラムをきちんと調べてみると、勤め先にもよりますが、起業準備の段階や起業後にも活かせるプログラムがあることも多々あります。
特に、現在の企業は、DXやAI活用という仕事の仕方が変わりつつあるため、リスキリングに関するサービスも多く提供するようになりました。
この記事では、サラリーマンが起業前に活用したい5つの会社の仕組みについて解説していきます。
また、会社の仕組みとは異なりますが、在勤中におすすめする行動を1つ提案します。
ぜひ、最後までお読みください。
起業前に活用したい会社の仕組み
以下に、サラリーマンが起業前に活用したい会社の仕組みを5つ示します。
- 福利厚生プログラムを活用する
- 教育プログラムを積極的に受講する
- 社外講演会に積極的に参加する
- フリーワーク環境を活用する
- 有給休暇を行使する
会社の仕組みとは異なりますが、起業後にも役に立つ行動を1つ紹介します。
おまけ:職場内で積極的に情報を共有する
以下に各項目について解説いたします。
1. 福利厚生プログラムを活用する
企業のリクルート活動のなかでも、特に注力してPRする項目の代表格が、福利厚生プログラムです。
入社から時間が経過すると、サービスの改定・見直しもあり、時代とともにお得感が増しているものも多数あります。在籍中に利用できるサービスとその内容を調べ、使えるものはきちんと使いましょう。
会社によっては、スキル再開発休暇、資格取得費用補助等もあります。
起業の準備期間として、休暇や補助を受けられるならば、活用の検討も有効でしょう。
2. 教育プログラムを積極的に受講する
会社が提供する教育プログラムには、社外講師を招いたプログラム、資格取得のためのプログラム、語学修得のためのプログラム等、独立後にも活かせる内容の教育プログラムが数多くあります。
多くの教育プログラムは、会社が費用を負担して提供されることが多く、個人で受講すると、結構な負担になる場合も多くあります。
独立後に活かせるテーマの講座があれば、在籍中に積極的に受講しましょう。
会社からも年齢を経てもスキルアップに熱心だという評価を得つつ、独立後の経費節減にもつながります。
ただし、本業と離れたテーマの教育プログラムは、会社に認めてもらいにくい(個人の趣味を認めるほど余裕のある会社はない)ため、本業にも付加価値をつけられるテーマを選定することが求められます。
3. 社外講演会は積極的に参加する
会社内のコミュニティは、自分が思っているよりも均質な人間関係になりがちです。
同じような興味を持った、同じような給与体系の人たちが集まっていると考えれば、納得しやすいでしょう。
同じような価値観の中で仕事をしていると、思考のクセや思考方法も似たようなものになりがちです。
会社は、社外講師を招いた講演会を開催したり、社外の講演会に従業員を参加させることで、それぞれの従業員の思考の壁を壊すきっかけを提供しています。
社内に留まるにせよ、社外に飛び出すにせよ、社外の風は積極的に浴び、新たな知見を得るきっかけにすることをお勧めします。
あなた自身も社外の刺激を受けて、新たな知見を得るきっかけ作りに活かしてください。
4. フリーワーク環境を活用する
会社や職種により制限はあるかもしれませんが、在宅勤務や裁量労働勤務、フレックス勤務等、働く場所と時間の自由度を上げる勤務体系が提供されているならば、積極的に活用しましょう。
特に、COVID-19が社会にもたらした影響の中でも、(ほぼ強制的な)在宅勤務の拡大は、私達のこれまでの働き方の意識を大きく変えました。
在宅勤務を経験された多くの方々が在宅でも仕事ができることを認識し、通勤時間の削減が、プライベートの時間が増えた効果を実感されていることと思います。
私もその中のひとりです。
通勤時間が削減されたことで、自分の裁量で使える時間を増やすことができました。
私の場合、平日の通勤時間の削減により、自分の裁量時間が2時間程度増えました。
この裁量時間により、家族と過ごす時間が増え、起業準備の時間を増やすことができました。
増えた裁量時間をどのように活用するかは人それぞれですが、起業を考えているあなたにとっては、時間活用のメリットしかないと思います。
今後、起業を考えている方は、(息抜きのカフェ等での作業を除き)在宅で仕事をすることが多くなると思います。
なかには「いつも同じ場所に通勤して仕事をしないと集中できない」という方もおられると思いますが、それは長期間の会社勤めで培ってきた習性のようなものです。
会社勤めの間にフリーワーク環境に慣れ、自分の裁量で使える時間を積極的に活用しましょう。
5. 有給休暇を行使する
有給休暇とは、法律で定められた労働者に与えられた権利であり、労働者の休暇日のうち、会社から賃金が支払われる休暇日のことです。
労働者の権利を活用すればよいのですが、そもそも日本人は休むのが苦手です。
「病欠で欠勤扱いになりたくない」「育児や介護等で急に仕事を休むことがある」等の理由から、積極的に利用されない(できない)方も多くいます。
ご存知のとおり、使わなかった有給休暇は給与等で精算できるものではありません。
多くの退職者は、退職日前から逆算して有給休暇の消化をすることが多いのも日本の労働者の特徴です。
起業する観点から考えると、退職前に給与付きの休暇がもらえると考えた場合、これまでの自分と家族へのご褒美に使っても良いし、起業前の準備期間に利用することも可能です。
起業後の業種によっては、まとまった休みが取得しにくい場合もあるため、残った有給休暇は、退職前の長期休暇として、積極的に活用しましょう。
おまけ: 職場内で積極的に情報を共有する
会社が提供する仕組みではありませんが、会社の中での業務の進め方についても1つ提案します。
「職場内で積極的に情報を共有する」というと、役職的に情報をもらい慣れてきた方にとって、職場内で自ら積極的に情報を共有することは難しいことになっているかもしれません。
また、これまでの仕事の仕方によっては、情報を独占することで、優位な立場を維持してきた方もおられるかもしれません。
そのような方には「積極的な情報共有」を特にお勧めします。
役職に付く前の若い頃を思い出し、職場の仲間や部下に対して、自分が手にした価値のある情報をどのように提供すれば喜ばれるかを考えることは、起業後に価値を提供していく上での思考の訓練になります。
価値のある情報を共有した結果として、職場内で喜ばれるのであれば、素直に気持ちも良いものです。
また、情報の共有だけであれば、業務範囲を広げることなく職場の仲間にも喜ばれるうえ、在勤中の評価を高められるため、お勧めできます。
まとめ
サラリーマンが起業前に活用したい会社の仕組みを紹介してきました。
それぞれの項目は、50代までサラリーマンとして勤めてきた方であればご存知の項目ばかりだと思います。
しかし、勤務期間が長くなると、直接的な業務に関与しない会社の仕組みへの意識が低くなりがちですし、活用する視点も失いがちです。積極的に起業前に「会社の仕組みを活かす」視点で見直すことをお勧めします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。